ある企業のロビー空間に展示された宮嶋葉一の「J.S Bach」。一見すると日本美術のようなシンプルで力強い筆触の白と黒の絵画。しかし、モチーフの輪郭を描く黒い帯の中には色彩感覚を狂わすような紺が、そして、バッハの頬を染める淡いピンク、頭部にかかる微かなブルー。それらの要素を名刺やDM、ステーショナリーなどのアイテムに展開。宮嶋の「J.S Bach」は、企業の理念をより鮮明に、簡潔に印象付ける。
カラフルなストライプが印象的な布袋像はショップ空間に楽しさと革新性を与える。布袋像の頭と胸と下半身を三等分、全体をCTスキャンでトレースしたようなアクリル板を積み重ねて三体の布袋像に作り上げる。同じ部分のアクリル板を二枚、三枚と増やすことで、それぞれの布袋像の部位が伸びたり、歪んだり。そのポップな色彩と形状、内包された作品の持つ意味をデザインエレメントとして昇華させた。
内海聖史は、絵の具の色の美しさ、楽しさを表現するために、その空間と絵画の関係から考えを始める。丸いドットは重なり、滲み、流れ、それらはカンバスの存在を乗り越え空間全体に溢れ出す。カフェの壁一面を覆う内海の絵画は、森の中に見え隠れする果実のような紫、橙、桃、等々。ショップで使われるカップやコースター、商品パッケージなどに展開された色の粒は、デザインとして象徴化され、表面張力によりリズミカルにダイナミズムを形成する。
+Graphysm

AZONE+ASSOCIATESのアートとグラフィックデザインの新しい提案です。
その試みに、グラフィックデザイナーとして参加させていただきました。

人間の原初の創作行為であるグラフィティー「描きしるす」から発生したアート。「+Graphysm」は、商業施設やオフィスなどの空間計画に アートを導入し、ブランド化する、一連のデザイン戦略です。戦略的空間におけるアートというソリューションを「空間創りのプロフェッショナル」の方々と共に実現するプロジェクトとしてスタートしました。私たちが提案するのは、特定ジャンルの作家や作品ではなく、ニュートラルな視点で空間とアートの融合を最適化すること。自主プロジェクトとして10年以上現代アートのギャラリー「void+」を運営してきた中で蓄積したアートティストとのネットワークと、20年以上に渡る豊富なグラフィックデザインの実績を基に、新しい価値ある「空間」の実現を目指します。

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