成城と本格推理小説にまつわる、アイデアの話。
成城大学文芸学部さまからの依頼でした。内容は、成城学園100周年記念にちなんだ、文芸学部の講演会。推理小説家の島田荘司氏、映画監督の藤井道人氏、小説家綾辻行人氏、わたしは勉強不足で存知あげなかったのですが、錚々たる顔ぶれだそうです。その講演会のちらしとポスター制作が主で、初回プレゼン時は、誰もが推理小説を連想できるような血痕、凶器、殺人現場など、わりとベタなモチーフを使って4案ほど提案しました。担当者レベルでは、絶賛していただき、このままいけるかと思いきや、作家の方々から小説世界のイメージとちがうというクレームがつきました。
もっと、幻想、退廃、背徳といったイメージで絵づくりをという修正でした。その世界から連想される絵を提案するうち、先方から「ビアズリー」の名があがりました。当初、使用料、著作権をどうするのかクリアすべき点がいくつかありましたが先方で問題点を解消してくださいました。

あとは、アイデアとデザイン。
A4ちらしの表裏という依頼でしたが、ただのちらしでは捨てられるし、講演にいらっしゃる方も折って持ってくるだけになる。もうひとつ、お客様にアクションを加えたい。捨てられない印刷物にしたい。そう考えたとき、ひらめいた(辿り着いた?)のが「文庫カバー型ちらし」案。ちらしとしては折らずに長いまま配布します。作家の方々は、文庫にもたくさんの著作がある。みなさん、お気に入りの著作にちらしを巻いて、講演に来てくださるのではないか。そういう思いで提案させていたところ、この案が大好評でした!想像以上によろこんでいただいて、やった甲斐がありました。作家の方々もたくさん配りたいから、ちらしを多めにくださいとの依頼があったそうです。いつも、こう、いいアイデアの連鎖が生まれるわけじゃないんですが、これがうまくいくと、ほんとに感激です!


イラストレーション/ビアズリー






Back to Top